除草剤を散布していた時にアキレス腱が断裂した症例〜鹿児島県出水市にある有馬整骨院〜

みなさん、こんにちは

今回は、除草剤を散布中にアキレス腱を断裂した症例をご紹介いたします。

この記事は、患者さんに投稿の同意を得た上で記事にしています。

アキレス腱とは

アキレス腱はふくらはぎの筋肉（腓腹筋とヒラメ筋）からかかとの骨へとつながる腱の部分です。

足首の後ろを触ると固いスジのように感じられます。

下腿三頭筋は主に足関節の曲げる（底屈）と腓腹筋は膝関節を曲げる（屈曲）働きをする筋肉です。

画像引用：ヒューマン・アナトミー・アトラスより

アキレス腱を断裂するとどうなる？

アキレス腱の断裂が起こる原因としては次のようなものがあります。

• スポーツなどで足を強く踏み出す時に急激な負荷が加わった場合
• 転落、階段の踏み外しでは踏み込んだ足が背屈（足先が上がった状態）を強制されて強い力が加わった場合

アキレス腱に強い張力が発生した時に

バチっという切れたような音やバットで叩かれたような感触を感じることが多いと言われます。

見た目ではアキレス腱の部分が陥凹してふくらはぎの力が入らなくなります。

歩くのが困難な場合もありますが、すり足なら歩けることが多いです。

症例

症例は、40代の男性の方。

来院1ヶ月前に野球の練習中、ボールを取ろうとした際に左のアキレス腱に痛みを感じたことがあったとのことです。

その時は湿布を貼り様子見をしていましたが、痛みなく日常生活ができていたとのことです。

その後、除草剤を散布中に左足を段差に乗せて体重をかけた時に激痛を感じて当院に来院されました。

外観写真

初回来院時の写真です。

続いて左右のアキレス腱を外側から撮った写真を見てみます。

ケガをした左アキレス腱の写真です。

今度はケガをしていない右アキレス腱の写真です。

右足のアキレス腱はピンと張りがあるように見えますが、左アキレス腱は張りがなく少しくぼんでいるように見えます。

アキレス腱の断裂がないか徒手検査を行いました。

ふくらはぎを掴んだ時に足関節の動きを確認（トンプソンテストと言います）し、左足関節がほとんど動きがないことを確認しました。

エコー画像

初検日に超音波画像にて患部の観察をしました。

上画像はケガをしたアキレス腱部分（患側）とケガをしていない足（健側）を比較したものです。

黄色線で挟んだ部分がアキレス腱です。

健側は黄色に線の中に白い線状のアキレス腱がはっきり見えていました。

患側は両端部分の白い線状のアキレス腱が見えていましたが、

中央あたりに線状が不鮮明になり所々黒く見える部分（赤い枠で囲った部分）があります。

この部分で断裂している疑いがあります。

医療機関に対診

以上の所見よりアキレス腱断裂を疑い医療機関に紹介しました。

医師からはアキレス腱断裂と診断されました。

完全断裂ではなく一部繋がっている部分があるとのことでした。

治療方針は患者さんの希望で保存療法を行うことになったとのことです。

治療はギプスによる固定をしていただきました。

1ヶ月後には装具固定に変更になったとのことでした。

写真は報告に来ていただいた時の写真です。

治療は対診先の整形外科で治療を受けられたとのことです。

２年後の状態

初回から丸２年がたった頃当院に来られたので現在の状況をお話ししてくださいました。

現在は、若干の足のだるさを感じることはあるものの特に大きな後遺症などない、

仕事も問題なくできているとのことでした。

エコー画像にも快く協力していただきました。

外観とエコー画像

患側アキレス腱部分の当初あった陥凹はなくなりご自分で足首の運動ができるようになっていました。

またトンプソンテストもふくらはぎをつかんだ時に足関節の動きを確認し陰性となりました。

初検の時と写真の角度が変わり少しわかりにくくなってしまいました。

申し訳ありません。

超音波画像で再度確認しました。

白い線状のアキレス腱を確認することができました。

日常生活も問題なくおくることができて本当によかったです。

まとめ

今回アキレス腱断裂が疑われた症例を紹介しました。

保存療法でアキレス腱断裂が修復され日常生活も問題なくできています。

アキレス腱はスポーツなどで強い力が加わった時に断裂が起きると言われています。

もしアキレス腱部分にバチっという叩かれたような感触、痛みを感じた際は

すぐに整骨院や整形外科を受診されることをお勧めします。

長文となりましたが、ここまで読んでいただき

ありがとうございました

引用文献

• 最新整形外科体系第18巻下腿・足関節・足部　中山書店
• 柔道整復学・理論編　改訂第5版　公益社団法人全国柔道整復学校協会監修　南江堂
• グレイ解剖学　原著第３版　エルゼビア・ジャパン（株）

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